あーあ、欠けちゃった!

ある方から頂いたお気に入りのマグカップが欠けてしまった(写真左上)。食器洗い中にガラスコップとの直接対決に敗れたとのこと。残念。謹んで葬ろう。

この手のことがあるといつも思い出すのは、35年ほど前に放映されていた「ハイカラさんが通る」というアニメ。ググれば色々出てくると思うが、紅緒(ベニオ)さんという女性が主人公の大正ロマンで少女漫画をアニメ化した番組だった。私が高校〜大学の頃、何度も再放送されていた。ちょっと破天荒な感じのキャラの女性が、伊集院少尉という今で言うイケメンの家に嫁いで色々と騒ぎを起こす、というのがストーリーの基本。別に好きで観ていたわけではないのだが、学校から帰ると丁度やっていたので、ついつい観てしまう、という感じだった。決してすべてのエピソードを観たわけではないのに、何故か再放送のたびに3回も観てしまった「同じエピソード」というのがある。概ねこんな話だった。

伊集院少尉の家は大きなお屋敷で、何人も女中さんがいた。ある日、一人の女中さんが国宝級の「家宝の皿10枚」のうち1枚を誤って割ってしまう。するとその家のおじいさんは、激怒し「手打ちにする!」などと騒ぎ出す。女中さんは女中さんで泣きながら「死んでお詫びをいたします。」と言い土下座。しかしおじいさんの怒りはおさまらない。周りのみんなはオロオロするばかり。すると、それを見ていたベニオさんは、残った9枚の国宝級の皿をすべてたたき割る。みんな凍り付く中、ベニオさんが一言。「たかが皿一枚で人ひとり死ななければならないのなら、残り9人分の命、私ひとりでまとめて引き受けます。」これを聞いた伊集院少尉は大笑いし、おじいさんは腰を抜かして戦意喪失し、一件落着となる。

「ハイカラさんが通る」と言えば、私はこのエピソード以外覚えていない。何故かこのエピソードだけ3回観たというのも事実である。(当時まだビデオはそんなに普及しておらず、少なくとも私の家にはなかった。)
そんなわけで、ある方へ。せっかく頂いたのに欠けてしまいました。どうぞお許しくださいませ。_o_